三島由紀夫の、『美徳のよろめき』を読んだ
保守的な人々は三島由紀夫支持するが、私は彼を支持しているわけではない。
まず、第一に、三島の事をまだ理解できていない。
第二に、三島が男色だという事実が、彼の描く世界が正常な性向のものではないという先入観を与える。
三島由紀夫は殊に好みではないが、全集を持っている。
何とか、全集を読み終えたいと思い、少しづつ読み進めている。
三島由紀夫の文体は私には会わない。
身体が拒絶反応を起こす。
読めない漢字が時折現れる。
三島の意識の流れについていくことができない。
全集の、第10巻の、『美徳のよろめき』を読み終えた。
この作品は、三島の作品の中ではエンターテインメント性が高い。
小説は、そもそも、エンターテインメントだと思う。
『私を楽しませてくれ』と思いながら、いつも、小説を読んでいる。
『美徳のよろめき』はとんでもない背徳の物語りで、上流階級の奥様が年下の若いツバメと浮気をする話である。
一言でいえば、上流社会の奥様の仮面を被ったあばずれ女である。
浮気相手の子供を2度も堕胎する。
言うなれば、反社会的物語である。
相変わらず、三島の文体は饒舌でこってりとしている。
三島は自分の知っている語彙を見せびらかすように書き綴っている。
似たような表現が何度も無限ループのように現れる。
どんなに言葉で化粧して、着飾っても、結局はただのあばずれで下衆な女である。
この作品によって、『よろめき』とう言葉が世間では流行語のようになり、昼下がりに放送されていたドラマを『よろめきドラマ』といった。
三島の小説では、自堕落な女の最後はたいてい自殺で終わるが、この小説では自殺はしない。
三島の文体は恋愛小説には向かない。