『竹林はるか遠く』を読み終えた | 創作ラボ2

『竹林はるか遠く』を読み終えた

『竹林はるか遠く』を読み終えた。


中国、朝鮮、ロシアからの引揚者がどういう体験をしたのかは、ほとんど知らない。


この本は、体験に基づいた小説ではあるけれど、ほんとに、この小説に書かれているような体験をしていたのだろうと思う。


自分には全く想像すらできない体験だ。


この物語で感じるのは、戦時下のみならず敗戦後も生きるということは、幸運の連続の奇跡の結果であるということ。


死と生は紙一重の世界で、常に隣り合っている。


地獄のような体験をしてせっかく、日本に生きて帰ってきた母親が駅で死んでしまう。


なんとも、理不尽な運命。


日々の食べ物すらなく、住む場所もないのに、教育を受けさせることに、母親は執念を燃やす。


しかも、授業料の高い学校。


食べるものがなくても、着るものがなくても、人間の尊厳と人格の陶冶には絶対に欠いてはならないものが教育。


どんなに絶望的な状況であっても決して諦めない。


どんなに絶望的な状況でも、必ず助けてくれる人が現れる。


どんなに、絶望的な状況でも、思い遣りと感謝は忘れない。


『竹林はるか遠く』からは、多くのことを考えさせられる。


こういう本であっても、朝鮮人はこの本をアメリカの教材からは外すように運動を起こす。


親切な朝鮮人も登場しているにもかかわらず、相変わらず、朝鮮人は、朝鮮人です。


一つ、気なったのは、擁子の父親がどうなったのか全く書かれていないことです。