『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』を読み終えた
村上春樹の、『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』を読み終えた。
春樹の作品は、総じて、そうなのだが、心に染み入る。
全体としては、恋愛小説にも思える。
ただし、私は、恋愛小説はあまり好きではない。
ファンタジー、ミステリー的な要素の多い小説を好む。
『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』には、殺人事件が登場するから、ミステリー的要素はある。
しかし、この事件は解決はしない。
気に入らないのは、男色の描写。
そんな描写はいらないと思う。
村上春樹の作品を読み続けている人は分かると思うけど、『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』には、『ねじまき鳥クロニクル』、『ノルウェイの森』、『羊をめぐる冒険』的要素も垣間見られる。
彼の小説を読んでいくと、なんだか、気持ちがやさしくなってしまう。
いつの間にか、心が癒されている。
『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』も、許しと、癒しの物語だと思う。
この小説が発するメッセージは、307ページの、『そのとき彼はようやく・・・』の段落に凝縮されているように思う。
小説の感じ方は、それぞれの人が置かれている環境によって全く違ってくる。
小説は、筆者の手を離れると、個々の人々の、それぞれの物語になる。
他人がどう感じようと、そんなことは気にする必要はない。
村上春樹は、現在、64歳。
健康であれば、まだまだ作品を書き続けることができるだろうか、長編小説を書く時間的間隔が空きすぎている。
健康で、精力的に書けるのは、あと、10年足らずだろうと思う。
とすると、3年に一冊のペースだとすると、あと、3冊しか読めないことになる。
もっと、村上春樹の長編小説を読みたい。
だから、2年に1冊のペースで書いてほしい。