初めての店 | 創作ラボ2

初めての店

散髪をしようと思って、いつもの理髪店に行くと、なぜか閉まっていた。


そこで、他の、初めての店に入った。


初めての店というのは、不安だ。


その不安は的中した。


店の見た目がかなり古典的だったのだが、店主も古典的だった。


櫛とハサミを持つ手が震えていた。


手の動きが異常に遅い。


この店に入ったのは失敗だったと思ったが、もう遅い。


この震える手で、カミソリを持つのかと思うと、全身が硬直しそうになった。


まるで、テレビで見るコントの場面の中に自分がいるようだった。


心の中では、いくらでも払うから、早く終わってほしいと叫んでいた。