松本清張の、『砂の器』を読み終えた
松本清張の、『砂の器』を読み終えた。
全体に暗い感じと、思われているようですが、個人的にはそんな印象ではありませんでした。
上巻はかなりミステリー風で、ストーリーも緻密な感じでしたが、下巻になると、どうも少し、緻密さがなくなってきたようです。
下巻は謎解きに重点が置かれるために、ストーリーに、しなやかさとか、滑らかさがなくなってくる。
謎解きに走りすぎるがために、作家の意識のジャンプが起こっている。
作家が博識なのは分かるが、あまり蘊蓄ばかり述べられると、読者としては、眉をひそめてしまう。
最初の殺人は残忍で、あとの二つの殺人は、読者が考えもつかない方法だった。
この殺人方法は、たいへん興味深い。
実際に、そういう方法で殺人ができるのだろうか。
伏線が多すぎて、謎が多すぎて、物語が長くなりすぎている。
それらの伏線を収拾するために、下巻では、文章のジャンプが起こる。
十八歳の犯人が、戸籍を捏造する方法をどうやって思いついたのか、玄関先で押し売りの気分をどうやって悪くさせたのか、いくつか、謎は残る。
過去からの亡霊に怯え殺人を犯す。その殺人の秘密を知った者を殺害する。
殺人の動機は分かりやすい。しかし、殺害方法はあまりにも意外だった。
以外といえば、東北弁が、出雲でも話されている事も意外だった。
『砂の器』、『点と線』、『わるいやつら』、『ゼロの焦点』、『黒革の手帖』は、新潮文庫の、松本清張作品のベスト5という事だ。
これですべてを読んだ事になる。
確かに、面白いのだが、自分が求めているミステリーではなかった。