『ハナレイ・ベイ』 村上春樹
今、また、村上春樹の短編集の、『東京奇譚集』を読み始めた。
その中に、『ハナレイ・ベイ』という短編がある。
サーファーの息子が鮫に噛まれて亡くなった母親の話。
たとえば、同じ設定で、片岡義男が書いたとしたら、ずいぶんと、雰囲気の違うものになっていただろうと思う。
片岡義男がどういう作家なのか知らない人は、ネット上で調べてください。
村上春樹の小説は、饒舌過ぎるように思う。
人物の内面は、ことさらに描かなくても、人物の指先の動き、目の動き、脚の動き、その場の空気で分かる。
おなかいっぱいなのに、次から次と料理が出されても食べられるものではない。
料理は、ほどよいボリュームでおいしいということが分かれば充分。
小説もそうあってもいいだろうと思う。
短編の名手の片岡義男なら、適度なボリュームで、『ハナレイ・ベイ』を料理するはずだ。