部屋の中の不思議なもの
パソコンのモニターを見つめていると、モニターの上のほうを何か黒いものが飛んだような気がした。全く何も音が聞こえなかった。
蝶のようにひらひらと飛んでいた。
しかし、なぜ部屋の中を蝶が飛ぶのだろう。季節は、真冬。ありえないと思った。
ところが、その物体が再び至近距離まで接近してきた。
黒い物体なのだが、今度ははっきりと分かった。
それは、蝶ではなくて、ツバメくらいのサイズの鳥だった。
自分の目が見ているものが信じられなかった。真冬に鳥が部屋の中を飛んでいる。
ありえない光景だった。
いったい、どこから入ったのか見当もつかなかった。
冬だから、窓はすべて閉じたままだし、玄関のドアを開けているわけてでもない。玄関のドアは、出入りするために開けることはあるから、ドアの隙間から部屋に入ってきたということは考えられる。
しかし、そういう偶然が起こる確率は大変小さいだろう。
ありえない・・・。私の頭は混乱していた。その小さな鳥は異次元の空間から現れたような気がした。
とにかく、鳥を部屋の外に出そうと思った。
玄関のドアを少し開けた。鳥がその隙間から外に出てくれることを願った。
私は、鳥のことは気にしながらも、パソコンのモニターを見ながら、キーボードのキーを操作していた。
いったい、どのくらいの時間か過ぎたのか、正確には分からない。玄関のドアをいつまでも開けたままにはできない。
私は玄関のドアを閉めた。
鳥は果たして、外に出たのだろうか。
たぶん、出たのだろう。
なぜなら、その後、部屋の中には鳥の姿はなくなったからだ。
それとも、鳥は元の時空間に戻って行ったのだろうか。