青い手紙 16 | 創作ラボ2

青い手紙 16

調査員が何人もいる大きな事務所であれば、数人がそれぞれの得意とする分野を担当して調査をすればいいのだが、個人営業の調査員はすべて自分一人で調査をしなければならない。


そんなことは分かっている。分かっていながら、誰からも報酬はもらえない調査を続けているのだ。どうしても自分の手に負えなくなったら、同業者に助けを求めるということもできる。仕事柄、知り合いのジャーナリストもいる。手助けを頼めば、彼らのうちの誰かは協力はしてくれるだろうが、誰かに借りを作ることはしたくない。だから、自分でやってみる。


分からないことばかりだった。裕福な畠山義男氏がなぜ、経済的には恵まれない人々が暮らすような『象アパート』の一室で一人暮らしをしていたのか。死因は何なのか。実子ではない畠山純一がなぜ、『サニーアップコーポレーション』の取締役代表なのか。実子はどこにいるのか。実子は、『サニーアップコーポレーション』の役員ではないのか。


気になることは、自分の足で調べる。それが個人営業の私の流儀だった。私の足は、法務局に向かっていた。