狙撃者がいる 片岡義男
以前にもブログには書いたと思うのですが、片岡義男氏の文体はハードボイルドです。
むだな形容詞をはぶき、登場人物の内面を描く表現を抑え、客観的に人物の動きを描写することによって、人物の内面を読者に伝えるのが片岡氏の文体です。
いうなれば、写真を見ているように書く文体です。
とても、ドライで、ライトです。
このような文体こそは、ハードボイルド的小説にはうってつけです。
しかし、片岡氏の大量の小説群の中では、明らかにハードボイルドと思われるようなタイトルの小説は多くはありません。
『狙撃者がいる』というタイトルは、どのような内容なのかは、容易に想像できます。
主人公は、美しく若い女性です。
チャンドラーのような本格的な、ある意味、文芸的な文体のハードボイルドでありません。
片岡氏の文体は、ドライで、重くないから、読んでいて、楽しいのです。
