青い手紙 3
おそらく、目的の場所の近くまでは来ているはずなのだが、依頼主の住所を特定することはできなかった。
誰かに、また、訊けばいいのだが、それ以前に、依頼主の電話番号を訊いておくべきだった。
誰かが通りかかるのを私は待った。
何かを尋ねる場合は、一つの鉄則がある。
もっとも安全で、しかも情報を持っているのは、それなりの年齢の女性である。
仕事を持っている女性よりも、主婦のほうが頼りになる。
私は、主婦らしき女性が通りかかるのを待った。
ほどなく、主婦らしき女性が現れた。
私は、営業用の笑顔を作って、その女性に依頼主の住所を訊いた。
彼女は少し不思議そうな表情をして、私の目の前のアパートを指差して、「ここですよ」と言った。
私は勘違いをしていたようだった。
調査員に依頼をするような人物はそれなりに経済的な余裕があるはずだから、
一軒家に住んでいるものと、勝手に想像していたのだ。