アラバマ物語
映画、『カポーティ』の中で、『アラバマ物語』という作品が登場していたので、気になっていました。
映画の、『アラバマ物語』がDVDになっていたので、借りてきました。
ストーリーをほとんど理解していないままに見始めました。
この映画の制作年代も知らず、モノクロの映画だということも知りませんでした。
1930年代のアメリカのアラバマ州の片田舎での物語です。
物語の中心は、子供二人(兄妹)の男親だけの弁護士一家(フィンチ家)の日常です。
一家の隣には、謎の人物が住んでいます。この人物は、物語の終盤に登場します。
とても静かなトーンで物語は進んでいきます。物語の前半は、フィンチ家の子供たちを中心にした日常の物語です。現代のアメリカ映画に慣れている者からすれば、いささか、退屈です。
物語の後半から物語が動き始めます。
弁護士の父親が、強姦罪(おそらく冤罪)で起訴された黒人の弁護を引き受けます。
子供の女の子は学校で、親が黒人の弁護をしているということで、いじめにあいます。
父親は、強姦された女の子の父親たちに、脅迫めいたものを受けます。
南部のアメリカでは、人種差別は色濃く残っていて、法廷では、強姦されたとされている黒人はまったく無実であるという証拠が明らかにされるのですが、黒人は有罪になります。
少女に暴力を加えたのは、実は、父親であったということは、正義感あふれる弁護士のフィンチ氏が法廷で明らかにしていきます。
それでも、人種差別の社会では黒人は有罪となります。
物語は終盤になると、ミステリーのような展開になります。
強姦の被告人であった黒人は護送中に逃走したということで、射殺されます。しかし、ほんとに、逃走したのかどうかは分かりません。逃走するように仕向けられたのかもしれません。
いよいよ、物語のクライマックスです。
フィンチ家の子供二人が何者かに襲われます。襲ったのは、黒人に強姦されたとされる少女の父親でした。二人の子どものうち、兄は、腕の骨を折られて、気絶します。
妹も襲われるのですが、仮装のかぶりものを着ていたために怪我はなかったのですが、意外な人物が二人を助けます。
それは、フィンチ家の隣人の謎の人物です。彼は、二人の子供を襲った人物を刺したのです。そして、二人の子供の命を救ったのだと思います。
しかし、事件は、二人の子供を襲った人物が倒れた時に、自分の持っていたナイフで自分の腹を刺したということで片づけられます。
ある意味、アメリカ的展開というか、悪人は自らの手で自らを葬ったということになったのです。
現代のアメリカ映画に慣れている者には少し物足りないかもしれないのですが、身に沁み入る物語でした。
主演のグレゴリーぺっクのひたむきな、粛々とした演技が光りました。
グレゴリーぺっクといえば、やはり、『ローマの休日』でしょう。