幸せは白いTシャツ
夏が終わるまでに、紹介するべきだったと反省しても、時はすでに中秋を過ぎようとしてる。
にも、かかわらず、あえて、紹介したい気分になっているから、ここに、私のお気に入りの一冊を紹介する。
角川文庫の赤い背表紙、『幸せは白いTシャツ』。著者は、片岡義男氏。
おそらく、何度かこの小説は読んだことだろうと思う。記憶があいまいで、はっきりとはしないけど、黄色く変色した表紙の一部が何度も手にして読んだことを教えてくれる。
写真で登場する女性ライダーは、三好礼子さん。
まさに、片岡ワールドに登場する女性そのものだ。
この小説の舞台となっている、四国の太平洋側の、『横浪スカイライン
』をバイクで走ったことがある。
初めて走った、海沿いのワイディングロードで、今でも忘れられない経験をした。
道は、ストレートが少し続いては、コーナーが現れる。
初めて走る道だから、注意はしていたつもりだったが、ブラインドの右コーナーに明らかにオーバースピードで飛び込んでしまった。
ブレーキは間に合わないと思った。リアタイヤから滑って、転倒する予感が頭をよぎった。
しかし、幸運にも、私の予感ははずれた。
リアタイヤはロックすることなく、カワサキのオートバイは見事にそのコーナーをクリアした。
コーナーを抜ける時はいつもそうしているように、フロントブレーキをメインして、ブレーキングをしていたのだ。
パニックに落ちいっても、普段の習慣が自分の身を助けたのだ。
あるいは、その時、私はまだ死んではいけないから、何ものかが私のオートバイを物理的な力ではないもので減速したのかも知れない。
『幸せは白いTシャツ』は、数多く所有する片岡義男氏の作品の中でも、思い入れのある、赤い背表紙だ。
