片岡義男を知っていますか?
片岡義男をご存じでしょうか。
最近は、新作が少ないのですが、角川文庫の赤い背表紙といえば、片岡義男です。
片岡氏は数多くの作品を書いています。彼は、小説家である前に、評論家であり、カメラマンです。
彼の作品に登場するのは、強い意志に裏打ちされた、自立した女性たちであり、オートバイ乗りであったり、サーファーであったり。
ことに、彼女たちの生きざまには、共感をしてしまいます。
でも、現実の世界では、彼女たちような女性はいるのでしょうか。
小説の世界でしか出会えない彼女たち。
それが、片岡ワールドです。
片岡ワールドの彼女たちとの出会いを求めて、多くの作品を読みました。
片岡氏は、基本的には、短編の名手だろうと思います。
歯医者の待合室、あるいは、飛行機に搭乗している間の曖昧な長さの時間を楽しむにはうってつけです。
もちろん、長編も、短編に対等に評価されるべきです。
いくつかの作品は映画化されています。
片岡氏は、日本人ではあるのですが、正確には、日系三世というべきです。
片岡氏の選ぶ言葉は、日本語をよく知っている外国人のようです。
日本人なら、その場面では、そういう語句は使わないだろうと思われるものを使います。
それが奇妙に新鮮です。
片岡氏は、まるで、写真を見ているように人物を描写し、そこには作家の感情はなく、人物の心理描写は省かれています。
この文体は、アーネスト・ヘミングウェイの文体を評するときに使われる、『ハードボイルド』と呼ばれるものです。
よけいな修飾語句は省き、人物の動作、外面的特徴を、作家の感情を介在させることなく描く。
これは、ハードボイルドと言わずして、なんと言えばいいのでしょうか。
おそらく、私が文章を書く上でもっとも影響を受けたのは、片岡義男氏だろうと思われます。次に、村上春樹氏です。
片岡氏の作品は数多く読んでいます。
時折、気が向くままに、片岡氏の作品も紹介したいと思います。
