「本当にすまない。
この通りだ。
父が亡くなったら謝罪しようと思いながら、結局何もせずに今日まできてしまった。
君を長い歳月ずっと傷つけたまま一。
だが…安西はこの件に何の関わりもない。
ぶつかるなら私に直接ぶつかってくれ。
私は何をされても構わない。
だから、2度と彼を巻き込まないでくれ。
もし、もし再び彼に害を及ぼすなら私は君を生かしてはおかない!」
有沢は土下座をする漣を見つめて口元を歪めた。
「あんた…本気であいつに惚れたんだな」
「そうだ!命に換えても守ると誓った」
有沢は突然狂ったように笑い始めた。
「ハッハハ一。女を山ほど相手にしてきたあんたが、本気で惚れたのがあのガキだったとはな。
行け!行っちまえ!
二度と俺の前に姿を見せんじゃねえぞ!
あんな恐ろしい奴に手出しなんて2度としねえよ!
行けよ!さっさと行け~!」
最後は涙声になっていた。
有沢は枕を漣に投げつけた。
それをまともに受けて漣は立ち上がると一礼をして病室から去った。
病室から嗚咽が洩れ響いていた。

(私の罪だ。
有沢君に償う事はもう生涯出来ないだろう。
しかし、その罪を背負ってこれからも生き続けていかねばならない)
漣はそう自らに言い聞かせた。
つづく一

この物語はフィクションです。