「でも、漣さんはどうしてそんな真似をされたんですか?」
「君との出会いを私は不自然なものにしたくなかった。
君とは、君がデビュー戦の時に出会っていた。ほら、君がなくしたペンダントを捜していて私が見つけて君に手渡した一」
安西は大きく目を見開いた。
「ああ、あの時の一!
すいません、あの時はもういっぱいいっぱいの精神状態で拾ってくれた人の顔を覚えていなかったんです。
漣さんだった…んですね」
「無理もないよ。
あの時の君の状態なら一」
「そうだったんだ…。
だからスタジオで出会った時にものすごく暖かいものを感じたんだ一」
「君に素晴らしいオーラを感じて、私はどうしても君と関わりを持ちたくなった。
それで木次に頼んで…」
安西は首を振って
「そんな事構いません。
ペンダントを拾ってくださった貴方を忘れていた僕の方こそ謝らなければ一。それに一」
安西は悲しげに続けた。
「僕だって、同じです。
少しでも貴方に関心を持ってもらおうと下手な芝居ばかりをしてきたのですから。
漣さん、許して許して下さい」安西はベッドから上半身を起こすとひれ伏さんばかりに詫びた。

つづく一

この物語はフィクションです。