「今朝、学校に行ったら鞄にこの手紙が入ってて。
あたし、安西さんが誰かに頼んでお手紙を誰にも気づかれないように入れたのだと思って。
今日オフだし、安西さんがあたしに会いたがっているならって一。
マネージャーに隠れて着替えてやって来たのに」
安西は呆れてものが言えなかった。
しかし、すぐに頭をよぎったのは15歳の少女相手では同意があろうがなかろうが、淫行罪が成立してしまう事だった。
勿論、そんな気持ちは更々無いが世間はそうは見てくれないだろう。
「あのね一、僕は去年の暮れからずっと自主トレーニングで伊豆に居たの。
佐伯さんという同じチームの先輩とね。
誰かに頼んで、君にラブレターなんか出す余裕も暇も無いんだよ。
判る?」
「そんなの知らないもん!
あたし、安西さんがずっと伊豆に居たなんて初めて知ったわ」おそらくレミは売り出し中なので、ハワイには行かなかったのだろう。
だから、漣から安西の事情も伝わっていない。安西が自主トレーニングをしていると知っていればいくら幼いレミでもこの手紙はおかしいと思っただろう。安西は注意深く周囲を見渡した。
幸い、人影は無い。
しかし、それも時間の問題で名の知れた男女が地下駐車場にいるのを目撃されたら大変な事態になってしまう。
ましてや片方が15歳では一。「困ったな。
とにかくこんな所を誰かに見られたら大変だ。僕は、淫行罪で逮捕なんてごめんだよ」
「ひどいわ!
安西さん、あたし好きなのに」レミはいきなり彼に抱きついてきた。

つづく一

この物語はフィクションです。