適度なワインと充足した高揚感が、次第に安西の舌を滑らかにしていた。
漣に匹敵する程流暢な英語で、彼はスタンフォードと語り合った。
最初のうちは、彼の主演してきた映画の感想を話したが段々興奮して自分の主眼めいた事を話始めた。
「僕は死そのものについては、さほどの恐怖は感じていません。
それよりも僕は死の乗り越え方にこそ、生きる全てがあると考えています」
「ほう、それはどういう事なのかね?
具体的に説明してくれないか」スタンフォードもすっかり打ち解けて安西に問い掛けた。
「僕がMr.スタンフォードに惹かれているのは、死と隣り合わせのスタントやアクションを演じられながらも、少しも怖れていらっしゃらない所なのです。
それに尽きる、と言ってもいいですね」
安西は一息つくと、再び語り始めた。
「一非常に失礼な言い方ですがロバート・スタンフォード、撮影中に事故で死すという報道が世界中を駆け巡る事があるかもしれません。
人は道半ばにして散ってしまわれたとその死を悼むかもしれません。
でも僕はそうは思いません。
ただ、ただ素晴らしいと讃えるばかりです」
「おい、おい、安西君」
漣は、スタンフォード本人の生き死に関して話し出した安西に焦って口を挟んだ。
つづく一
この物語はフィクションです。
漣に匹敵する程流暢な英語で、彼はスタンフォードと語り合った。
最初のうちは、彼の主演してきた映画の感想を話したが段々興奮して自分の主眼めいた事を話始めた。
「僕は死そのものについては、さほどの恐怖は感じていません。
それよりも僕は死の乗り越え方にこそ、生きる全てがあると考えています」
「ほう、それはどういう事なのかね?
具体的に説明してくれないか」スタンフォードもすっかり打ち解けて安西に問い掛けた。
「僕がMr.スタンフォードに惹かれているのは、死と隣り合わせのスタントやアクションを演じられながらも、少しも怖れていらっしゃらない所なのです。
それに尽きる、と言ってもいいですね」
安西は一息つくと、再び語り始めた。
「一非常に失礼な言い方ですがロバート・スタンフォード、撮影中に事故で死すという報道が世界中を駆け巡る事があるかもしれません。
人は道半ばにして散ってしまわれたとその死を悼むかもしれません。
でも僕はそうは思いません。
ただ、ただ素晴らしいと讃えるばかりです」
「おい、おい、安西君」
漣は、スタンフォード本人の生き死に関して話し出した安西に焦って口を挟んだ。
つづく一
この物語はフィクションです。