「今の漣のお気に入りは、あの野球選手か一」「それと吉本レミの売り出しが今の彼の最大の関心事といったところね」
会場の一角に設けられたカウンターバーでカクテルを酌み交わしながら有沢と弓子は漣を酒の肴にしていた。「しかし、お前さんもしたたかな女だな。
漣を恨んでいる俺とつるんでいるくせに、未だに漣姓を名乗っているんだからよ」
「半分は子供達の為だけど、後の半分は私自身の為ね。
今更、嶋岡弓子に戻ったって何の得もないじゃない。
それに一少しは未練があるのかもしれない。
あの人には女は沢山いたけど、子供を2人産ませて、自分の父親のお下(しも)の世話までさせた女は私だけだもの。
いくら憎まれようと、ああいう大した男と一番深く関わったって事はある意味女の勲章でもある訳よ」
「そんなもんなのかよ。
まあ、好きにしな。
俺にとったって女はお前1人じゃないさ。
一おや?」
安西が漣から離れていった。
有沢はカウンターのダイキリを手にすると席を立った。
(何をするつもりなのかしら?)
弓子は不審げに彼を見やった。
つづく一
この物語はフィクションです。
会場の一角に設けられたカウンターバーでカクテルを酌み交わしながら有沢と弓子は漣を酒の肴にしていた。「しかし、お前さんもしたたかな女だな。
漣を恨んでいる俺とつるんでいるくせに、未だに漣姓を名乗っているんだからよ」
「半分は子供達の為だけど、後の半分は私自身の為ね。
今更、嶋岡弓子に戻ったって何の得もないじゃない。
それに一少しは未練があるのかもしれない。
あの人には女は沢山いたけど、子供を2人産ませて、自分の父親のお下(しも)の世話までさせた女は私だけだもの。
いくら憎まれようと、ああいう大した男と一番深く関わったって事はある意味女の勲章でもある訳よ」
「そんなもんなのかよ。
まあ、好きにしな。
俺にとったって女はお前1人じゃないさ。
一おや?」
安西が漣から離れていった。
有沢はカウンターのダイキリを手にすると席を立った。
(何をするつもりなのかしら?)
弓子は不審げに彼を見やった。
つづく一
この物語はフィクションです。