「だけど、あいつはどうやってああまで社長に取り入ったんだろう。
まるでこのパーティーの主賓気取りだぜ」
「焼きもちなんか焼かないの。それより、踊らない?
安西さんとレミちゃんみたいにね。
ちょっと身長差がありすぎだけど」
「せっかくだが遠慮するよ。
次回作で君とは共演することになりそうだ。
噂をたてられたらまずいからな」
「一もう、いつもそうなんだから」
「仕方がないだろう。
子飼いの俳優の宿命さ。
社長には、君とのことは秘密だしな」
今年、22歳になった如月夕子は155㎝の華奢な体つきの愛らしい女性である。
アーモンド型の大きな瞳と少し反った鼻筋、蠱惑的な厚めの唇は若者からおじさままで心を捉えて離さない、漣映画のもう一人の看板スターだった。
「まあ、いいさ」
日下は気を取り直して1人ごちた。
「俺は1週間後にはあの大スターと会見出来るんだ。
社長と3人で。だから、今日の所はあいつに社長を譲ってやろう」
つづく一

この物語はフィクションです。