漣は、もう一歩で優勝を逃した彼にねぎらいの言葉をかけた。「優勝は残念だったな。
もう少しだったのに。
だが私は正直言ってほっとしているんだ。
君達が優勝していたらまた試合と練習で今日のパーティーには出てもらえなかっただろう」
「そんな事はありません。
こんな栄えあるパーティーをお断りしたら、それこそ罰が当たりますよ。
優勝してビールがけの祝いも良いですが、こちらのパーティーの方が僕はずっと有意義だと思います」
球団関係者が聞いたら眉をひそめそうな台詞を彼は言った。
「社長、何かご用ですか?」
「ああ、吉本君一。
紹介するよ。
日本一の投手、安西貴之君だ」漣はにこやかにそう言うと、白いレースのドレスに身を包んだ大柄な少女の肩に手をかけた。吉本レミ一
15歳。
高校一年生。
春に開催された漣映画主催のコンテストで1位になった新人女優である。
夏に映画デビューしたばかりの漣事務所の秘蔵っ子である。
168㎝の細身の若さ溢れる見事なプロポーションは思わず見とれる程に愛らしい。
褐色のウェーブがかかった柔らかな髪を肩までたらし、白い肌くっきりとした切れ長な目元、高めな鼻梁と小さめな口元はどちらかといえば和風な顔立ちだった。
同じ事務所に所属する漣映画の看板女優
如月夕子(きさらぎゆうこ)とは対照的なキャラクターだった。
レミは目の前の若きエースに向かって、ドレスの裾をつまんで挨拶をした。
「はじめまして一。
吉本レミで~す」
レミは自らの緊張を隠す為に、わざと語尾を伸ばして自己紹介をした。
「こちらこそ、よろしく。
安西貴之で~す」
安西は彼女の緊張をほぐすように真似をして答えた。
途端にレミは弾けるように笑いだした。
「いやだーあ。あたしの真似をして。
安西さんてひょうきんな人なんですね。
もっと近寄りにくい人かと思っていたわ」
「そんなことはありませんよ、お嬢様。
よろしかったらダンスを一曲、お相手願います」
「ええ、喜んで」
会場の中央でダンスに興じている招待客の中に二人は入っていった。
つづく一
この物語はフィクションです。
もう少しだったのに。
だが私は正直言ってほっとしているんだ。
君達が優勝していたらまた試合と練習で今日のパーティーには出てもらえなかっただろう」
「そんな事はありません。
こんな栄えあるパーティーをお断りしたら、それこそ罰が当たりますよ。
優勝してビールがけの祝いも良いですが、こちらのパーティーの方が僕はずっと有意義だと思います」
球団関係者が聞いたら眉をひそめそうな台詞を彼は言った。
「社長、何かご用ですか?」
「ああ、吉本君一。
紹介するよ。
日本一の投手、安西貴之君だ」漣はにこやかにそう言うと、白いレースのドレスに身を包んだ大柄な少女の肩に手をかけた。吉本レミ一
15歳。
高校一年生。
春に開催された漣映画主催のコンテストで1位になった新人女優である。
夏に映画デビューしたばかりの漣事務所の秘蔵っ子である。
168㎝の細身の若さ溢れる見事なプロポーションは思わず見とれる程に愛らしい。
褐色のウェーブがかかった柔らかな髪を肩までたらし、白い肌くっきりとした切れ長な目元、高めな鼻梁と小さめな口元はどちらかといえば和風な顔立ちだった。
同じ事務所に所属する漣映画の看板女優
如月夕子(きさらぎゆうこ)とは対照的なキャラクターだった。
レミは目の前の若きエースに向かって、ドレスの裾をつまんで挨拶をした。
「はじめまして一。
吉本レミで~す」
レミは自らの緊張を隠す為に、わざと語尾を伸ばして自己紹介をした。
「こちらこそ、よろしく。
安西貴之で~す」
安西は彼女の緊張をほぐすように真似をして答えた。
途端にレミは弾けるように笑いだした。
「いやだーあ。あたしの真似をして。
安西さんてひょうきんな人なんですね。
もっと近寄りにくい人かと思っていたわ」
「そんなことはありませんよ、お嬢様。
よろしかったらダンスを一曲、お相手願います」
「ええ、喜んで」
会場の中央でダンスに興じている招待客の中に二人は入っていった。
つづく一
この物語はフィクションです。