1000人近い招待客に、丁寧に挨拶を交わしながら彼は何度も腕時計を眺めて誰かを待ちわびていた。
だが、ロビーから来た秘書が彼に何事かを耳打ちをするとその頬に笑みが浮かんだ。
漣は人混みを掻き分けるようにして、ホテルの正面玄関に駆けつけた。
ネオンの彩る美しいエントランスに愛車のロールスロイスを見出だし、その中から姿を見せた若者に声をかけた。
「安西君!」
若者向けの黒タキシードを優雅に着こなした安西の許に漣は駆け寄った。
「待っていたよ一。
君が来てくれるのを」
漣は湧き出る喜びを隠そうともせず、その手を取らんばかりにしてパーティー会場に招き入れた。
安西は細面の面輪を紅潮させて各界の著名人が溢れるパーティーの中に入っていった。
佐伯はいつの間にか姿をくらませていた。
健康的な小麦色にやや長めにまとめた髪型、どちらかといえば野球選手らしからね柔和な顔立ちにモデルと見まごうばかりの均整のとれた体格にタキシード姿が良く映える一。
光の中に身を置けば、一層輝きを増す若者だ。美貌の人の群れの中でも、彼は一際目を引く存在だった。
「すいません。せっかく迎えの車まで寄越してくださったのに遅れてしまいました」
開催時間に遅れた事を安西は詫びた。
「そんな事は構わない。
横浜からわざわざ来てくれたのだ。
今日は気楽なパーティーだから遠慮しないで、どんどんやってくれたまえ」
一つづく
この物語はフィクションです。
だが、ロビーから来た秘書が彼に何事かを耳打ちをするとその頬に笑みが浮かんだ。
漣は人混みを掻き分けるようにして、ホテルの正面玄関に駆けつけた。
ネオンの彩る美しいエントランスに愛車のロールスロイスを見出だし、その中から姿を見せた若者に声をかけた。
「安西君!」
若者向けの黒タキシードを優雅に着こなした安西の許に漣は駆け寄った。
「待っていたよ一。
君が来てくれるのを」
漣は湧き出る喜びを隠そうともせず、その手を取らんばかりにしてパーティー会場に招き入れた。
安西は細面の面輪を紅潮させて各界の著名人が溢れるパーティーの中に入っていった。
佐伯はいつの間にか姿をくらませていた。
健康的な小麦色にやや長めにまとめた髪型、どちらかといえば野球選手らしからね柔和な顔立ちにモデルと見まごうばかりの均整のとれた体格にタキシード姿が良く映える一。
光の中に身を置けば、一層輝きを増す若者だ。美貌の人の群れの中でも、彼は一際目を引く存在だった。
「すいません。せっかく迎えの車まで寄越してくださったのに遅れてしまいました」
開催時間に遅れた事を安西は詫びた。
「そんな事は構わない。
横浜からわざわざ来てくれたのだ。
今日は気楽なパーティーだから遠慮しないで、どんどんやってくれたまえ」
一つづく
この物語はフィクションです。