あの猫のために
家のミケは
殺された
彼女が
幼少の頃
遊んでいた時
いきなり
隣の屋根から
飛びかかって
来て……
腰骨を
かみくだかれ
私の目の前で
ミケは死んだ
近所の
猫のボス
10年は
生きているだろう

馬鹿野郎!
死んじまえ
そう言って
私の投げた
石ころを
ヒョイとよけて
屋根づたいに
逃げてゆく
赤茶色の大猫

ある冬の朝
学校の出がけ
そいつは
カチカチに
凍って
死んでいた
ポトン、
そいつの体に
私のなぜだか
わからない…
涙が


あの猫のために
家のミナは
生傷が絶えない
今日も耳を
血まみれにして
愛猫は
テレビの上に
横たわり
かまれた足を
なめている
黒くて
腹の辺りだけ
白い憎い
片目の猫
馬鹿野郎!
死んじまえ
私は何度
そういったか
だがそいつは
ゆうゆうと
中庭を
歩いている

今日、そいつは
大通りの真ん中を
歩いていた
ダンプが
来たのも知らず
フン…
いい気味だ
ギャーッと
叫んで
死ぬがいい
みにくい
死にざまで
往来の
恥さらしに
なるがいい
だがそいつは
一瞬のうちに
横とびして
路地に
逃げ込んだ

それを見て
なぜか
ホッとした


これは中学3年の時に創った詩です。
全て現実に起こった事です。当時の野良猫の中には、子猫を狩って食べる猫がいたのです。恐ろしい事ですね。
実際には子猫はすぐには死なずずっと苦しんで弱って死にました。
当時の獣医師では手の施しようがなかった状態でした。
本当に悔しかったのを今でも覚えています。
でも、実際にその敵の猫が凍死しているのを見たら哀れに思いました。
次のエピソードも絶対轢かれると思ったのですけれど、猫はすごい敏捷です。さっと見事に避けて行きました。
それを見て、本当にホッとしている小娘の私がいました。
やはり、そこは多感な乙女だったのでしょう。もう大昔の事なのに、詩を読み返すと当時の風景が甦ってきます。
どんな思い出もそれなりに印象深いものがあります。
それではまた。