マカゲは、神々の立ち去った洞窟に最後の力を振り絞って立ち上がった。
気持ちは驚く程に安らかだった。
あの時、思いとどまって本当に良かったとマカゲは思った。

(ずっと以前から俺は知っていたのだろう。
ここが終の住みかだと…。)

最後にマカゲは泣き笑いの顔をで呟いた。

「クヌギィ、
オッサンはちったあ役に立ったかい?」

その時が来た。
岩戸の白い札に火がついた。
ほんの一瞬、
ボウッと音をたてて

護符は……
消滅した。

―完―