―お前達。―

だが、そこに悲しみはなかった。
音瀬の長と民は脈々と二人の中に息づき、決して消え去りはしなかった。
やがて―長の鋳型に倣って最高神は元の姿に戻った。
以前にも増して生き生きとした最高神の体は、もはや生身の人界神ではなかった。
神界の王にふさわしい、古代神よりも遥かに高度な神の体を獲得した。
親神の一人のゾアナに生き写しのその姿は以前の姿と寸分の違いもなかった。マナイ神は、最高神に囁いた。

―今、我は千万(せんまん)の時を経て、再びそなたと巡り会わん。―


創られたばかりの空世―。
ゾアナは既に異界に去り、具現化していたバハラードの¨気¨も程なく本来の形なき身になろうとしていた時―
そこに一つの出会いがあった。
空世に運ばれていた最高神一族の子の一人が、¨気¨の前で突然、目覚めた。

その子は、目映い光に驚いて保護されていたベールから転げ落ちた。
それをバハラードの¨気¨は手をさしのべて救った。

まだ何も固まっていないその子は、自分を救い優しく抱き締めてくれた美しいその人を深く心に刻みつけた。