(あれ?俺、何で泣いているんだろう?
何か訳もなく悲しくなって…きた。
どうしたんだろう? 俺。)

まるで泉を掘り当てたみたいに後から後から涙が溢れ出てくる。
もう涙を流す目も無いのに。
まるで片方の体を千切られた様に体か辛い。
今更、この体を嘆く訳でもないのに。
(俺、何故泣いているんだろう?)

クヌギは、不思議に思いながら泣き続けていた。
たとえ、人界に置き去りにされたとはいえ内心あれだけ会いたがっていた親の1人がたった今、消滅したのを知らないままに。

神界への白き道を渡る守護神一族の心は重かった。
我が身を崩してまで尽くしてくれた最高神を音瀬残して自分達だけが神界に渡る申し訳なさもあったが、同時にこのふた目と見られぬ醜い姿のまま神界に戻っても、再び神界の神々に疎まれるのではないかという思いがあったからである。
自分達は、最高神の心に応える為にもどんな仕打ちをされても和解する気持ちであったが神界の神々が又受け入れてくれないのではと懸念していたのだ。
だが、そんな重い足取りの彼等が歩む道の上空に一条の明るい光が射し込んだ。