「キリコ―ッ。
お前、無事だったのか!?」

¨気¨は喜びのあまり一瞬、卒倒しかけた。
だが次の瞬間には小柄な妻をその胸いっぱいに抱き締めていた。
周囲の神々もキリコを認め、2人を取り囲んだ。遥か前方にいたシュ・セルガも喜びの念を送った。

「お前、お前―。今までどこにいたのだ?
ずっと捜していたんだぞ。
全く心配させやがって。」

「人界よ。
私、ずっと人界で暮らしていたの。
でも、ほんの少し前に私の前に白い道が開けて―。
急いで渡って来たら貴方に、皆に会えたのよ。」

「人界?人界にいたのか。
どうしてお前だけ無事に人界に戻られたんだ?」

キリコは、突然涙目になって音瀬界の方向を見つめた。

「最高神様が…。私があの空間に呑まれた時に真っ先に駆けつけてくださって、蛇防御をかけてくださったの。ご自分にかければ人界へ戻られたのに。
私にかけてくださったのよ。
だから私は蛇防御に守られて人界に戻られたのよ。
あの方は―いつもそうなのよ。目の前に助けを求める者がいれば、自分を捨てても救ってくださる方なのよ。」

「キリコ―。」