何より何故にその姿を現そうとはしないのか。

¨シュナク・サーレ!
そなたは、そなたはどこにいるのだ?
姿を見せよ!¨

¨そう、お前さんが言うのを待っていたよ。¨

荒野の外れにある岩場から、
“それ“は姿を現した。
這いずり出て来た。
深緑色の巨大なアメーバ状のもの。もはや、生物の形態をなしてはいない。

“それ“は闇蓬来の長とその一族の前で動きを止めた。
長は青ざめて、“それ“を見た。
¨そなた、
そなたがシュナク・サーレだというのか。まさか!?¨

¨ああ、そのまさかだよ。
俺は型代(かたしろ)を外した。こうでもしなければ、とてもじゃないがお前さんには勝てなかったからな。
音瀬の長にも迷惑をかけた。
もう少し頑張ってもらいたかったが、仕方ないか。
長、ごめんな。
ありがとう。¨

自らの型代を外すー。
それが何を意味するかー。
二度とあの美神に戻れず、自らを混沌に還すー即ち生きながらにして生物としての機能を全て放棄する。
神界が行った所業を個体のレベルで実行したのだ。
しかも、神界への道が開かれたから…神界が元に戻ったから我々に神界へ帰れと告げている。