激しく回転してクヌギを倒すべく火だるまとなって向かって来た。

「絶対冷波!
(ぜったいれいは)」

クヌギは、長に水の性究極の術をかけた。

(そんな、馬鹿な!)

その術は生身の人界神であるクヌギには、絶対にかけられないものだった。
自らを凍結させその念波で相手を凍りつかせる―。
敵がいかなる高熱を発していようと、瞬時に冷凍化させてしまう。
だが、生身でこの術を用いれば術者自体が凍りついてしまい、術そのものが発動不能になるはずなのに―。

しかし、クヌギは凍結せずに平然と長に術をかけた。
長は無様に地上に転げ落ちた。
核の加護がなければ、長の体は粉々に砕け散っていただろう。
(防御術を用いれば、この高度な術はかけられない。
容量を越えてしまう。
人界神は、技術はあってもこの究極奥義は使えない―。
それなのに何故?)

全身の狂おしい痛みに耐えながら、長は疑問に思った。

全く、勝負にならなかった。
ほんの僅かな時間で勝敗は決した。

クヌギは、ゆっくりと大地に降り立った。