長に比べれば、まるで子供の様な細身のクヌギは呆れる程遠方へと飛ばされた。
それにしても、手応えが無さすぎる。
いつもの最高神ではない。
だが、悠長に自らの疑問を詮索する暇は与えられなかった。
激しいダメージを受けたはずのクヌギが即座に接近してきた。
まるで何の攻撃も受けなかったかの様に―。

「ク…。」

先程受けた雷攻撃の痛手が長の背に黒焦げの火傷を残していた。
すぐには回復不能の痛手だった。
長の体が空中で揺らいだ。

「長~っ!」

¨気¨の闇蓬来は、無我夢中で長の前に立ちはだかった。
数名の一族の者が追従した。

「やめろ!
加勢はするなと命じたはずだ!」

長は、厳しく制したが彼等は動じなかった。
だが、次の瞬間彼等は音瀬の地に叩きつけられた。

(蛇封じ!)

蛇の性も司る最高神の高度な術だった。
叩きつけられた闇蓬来の一名に付き一頭ずつ半透明の大蛇が巻き付いて、その動きを封じた。
その蛇は、最高神の念が蛇の性と連動して造り出されたものである。
主に防御に重きを置かれる蛇の性の中でも攻撃的な術といえた。

「ち、畜生~っ!」
¨気¨の闇蓬来は悔しげに唇を噛んだ。