長は、その両手から烈火を放った。
一瞬でクヌギを焼き尽くさんばかりの勢いだった。
長は、最初から全力で闘いに臨んだ。
早く勝負をつけてしまいたかった。
最高神を苦しめたくなかった。
避けられぬ闘いならば、いち早く決着をつけてしまいたかった、
だが音瀬においても生身であるはずの最高神の姿を見失ってしまった。

(なに!?)

烈火は空しく空中で飛散した。当然)最高神への直撃を予想していた大いに慌てた。
更に、背後から凄まじい雷の攻撃を受けた。
轟音と共に長は体中がバラバラになるかと思う衝撃を受けた。

(は、速い!)

そう思った瞬間クヌギはいきなり長の懐に飛び込んで来た。
その手には。黄金の柄の小刀が握られていた。

(それは―。)

あの従神を苛んだ無数の小刀の一つだった。
クヌギはその中の一つを隠し持っていたのだ。

(やはり、見抜いていたのか―。)

長は、苦笑した。
憎かった―。
いや、違う。
ひたすらに羨ましかった。
人界では無論の事、この音瀬界においてもひたすらに思い合う2人の姿が―。

―つづく。