クヌギと闇蓬来の長は決闘に臨んだ。
彼等の闘いの火蓋は切られた。
その背後には、¨気¨が血走った眼を2人に向けていた。

¨気¨の暴走を長は咎めなかった。
制裁を受けて当然と覚悟していた¨気¨にとって、それは何よりの罰だった。
そして、彼等のアジトにキリコはいなかった、
彼等は、キリコを拉致などしていなかった。
自分の身勝手な暴走のせいで、一族を一時的にせよ、非常に傷つけてしまった。
最高神があそこまでの術を仕掛けてきたのは、彼も守るべき者達を必死で守ろうとした結果―。
だから、あの美しい神を恨んではいない。
だが、今の自分の立場は―。

直属の部下達からさえも、不信の眼差しを向けられている。
愛する妻は、依然行方不明―。表立って責められない事が、これ程までに地獄であったとは。
¨気¨の心は、乱れに乱れていた。
ただ、今は償いではなく純粋に長の力になりたい、たとえ一族から永久に追放されたとしてもどんな事をしても、長をお守りしなければ―
その思いだけが¨気¨に平静を保たせていた―。