―絶対神、
畏れるな!―
再び、彼の言葉が脳裏に浮かんだ。
マカゲさんは、何を畏れるなと言ってくれたのか?

落ち着け!
よく考えるのだ―。
己を畏れるなという意味か―。
確かにその通りかもしれない。バハラードにおいて、最高位の絶対神であるという事実をいきなり突きつけられて、動揺しない訳がない。
マカゲさんは、私がその事実を受け止め切れずに精神的に壊れてしまうなと忠告してくれたのだろうか。
いや、確かにそれはあるだろうがそれだけではない。
畏れるな―。
畏れるな―。
―迷う暇、悩む余裕があったら動けよ!―
音瀬に来てからは、本当に力強く誠実な兄のような存在のマカゲさんの思いを、しっかりと自身の力で捉えなければ―。
私はあの2人から受けた恩に何一つ報いられない―。
畏れるなとは己を受け入れるという事なのか。
己を受け入れる―。 それは―。そうだ!
絶対神だとか地位の事ではない―。
振り返れば最悪の道を歩んで来た自分―。
しかし、愚かなりに懸命に闇蓬来との戦いの中に解決の光明を見いだそうとしてきた。
その思いは本物だった。
必ずしも、間違いばかりを犯して来た訳ではなかった。
そうした全ての自分を受け入れる―。
それを畏れるなとマカゲさんは仰ったのだ。