¨これを笑わずして、何を笑う。そなたごとき未熟者が絶対神だと申すか?¨

大気がうねり、鋭い剣の切っ先と化してサナヤに襲いかかった。
音瀬の民が、我が身を投げ出してその攻めからサナヤを守った。

¨ほう、この地の者共には慕われておるようだな。¨

¨…。¨

サナヤは、姿なきバハラードを睨み付けた。

¨今生界(こんじょうかい)<バハラードの別称>に慈悲を賜るべき方が何故に心清き民を傷つけなさるのですか?¨

¨血迷うた者を庇いだてする輩にかける慈悲はない!¨

¨バハラード!¨

サナヤの声は怒りで震えた。

¨我を血迷うた者と仰るならば貴方は何なのだ?
この乱れた世を永年に渡り捨て置き、救いの手を差し伸べずに傍観しておられた罪は裁かれぬと仰るのか!¨

サナヤのの詰問に、バハラードは蔑みの念をもって答えた。

¨そなた、心得違いをしておるな。
我は神には非ず!
全ての災いはそなたら神自身が為さしめたもの―。
己で己の首を締めた者の罪を我に購えと申すのか!?¨

サナヤは、答えに窮した。
―つづく。