闇蓬来の長は、音瀬の外れにある荒野へと一族を率いて赴いた。
最高神は、決闘の話し合いの際に一族を連れて来るように要求したのだ。
長は不審に思ったが、最高神の激しい要求に蹴落とされる形で従う事にした。
一族を引き連れて来たが、長は彼等に厳しく言い渡した。

「一切の助太刀は無用!
これは一騎討ちである。
もし、我が意に逆らう者あらば闇蓬来より永久に追放する!」

長は決意していた。
あの方は何らかの事情でお言葉を発せられない状況にあられるのだ。
だからこそ、これからの闘いがあの方の御意志ではない場合はその責めは全て自分が背負う―。
従ってこの闘いはあくまでも私闘としてゆくべきだと―。
一族は、不満げにざわめいたが長の意志は揺るがなかった。
だが、その決意とは裏腹に長の内部には闘いたくない思いが満ちていた。
しかし、その思いも吹きすさぶ風の中、空中に佇む最高神の姿を認めると、長はその思いを握りつぶした。


「我は、全てを懸けて我が師と一族の為に闘わん!!
最高神、参るぞ!」

「…。」

クヌギは何も答えず、ギンガムチェックの厚手のシャツとジーンズ姿で長と対峙した。


彼等の最後の闘いの幕が切って落とされた。