マカゲとサナヤが語りあっていたほぼ同時刻―。
音瀬界の闇蓬来のアジト―。
長の私室―。
闇蓬来の長は、ささやかに設えた祭壇の灯明の下で必死に何者かに訴えかけていた。

¨どうぞ、お言葉をお聞かせください。
――様。
貴方様の御指示を賜らなくなりましてから数十年が過ぎ去りました。
その間、我等闇蓬来は独断で最高神一族と戦って参りました。
貴方様のお力を以て我等は不死身となり、ことごとく最高神一族を打ち倒して参りました。
しかし、本当にこのままでよろしいのでしょうか?
今の最高神一族は、僅か3名の手勢でありながらとてつもなく手強い者共にございます。
我等を別界(べっかい)である音瀬へと引き込み、不退転の決意をもって我等に挑んで来ております。
私も尋常ではない醜い手段を用いて彼等を苦しめて参りました。
正直申し上げて胸が痛む思いであります。
私は、これ以上彼等と戦いたくありません。
我等の行くべき道は、ただ彼等を倒す為にのみあるのでしょうか?
――様、どうぞ新たな御指示をお与えください。¨

長は何者かに願い続けた。

―つづく。