そして、屋敷の中庭で明らかに取り乱した様子のサナヤを見いだした。

「マカゲさん!!」

サナヤは、マカゲに必死で訴えかけてきた。
その顔は青ざめて、今にも泣き出さんばかりだった。

「マカゲさん…。
最高神が―とんでもない事を―私に―。
神々の中の神である絶対神が私であると…いうのです。」

「ああ、知ってるよ。」

マカゲは、のほほんと答えた。

「そんな…マカゲさんまで―。
ああ、私は…私は一体どうしたらいいのですか?」

(涙目になってるよ。サナヤ君。)

あの冷静沈着で不言実行のスーパー従神のサナヤがおろおろとうろたえている。
余程の衝撃だったのだろう。

「落ち着け、サナヤ。クヌギにお前の贈り名を伝えたのは俺だ。
東亜の喫茶店でいきなり、自分をマナイと名乗っただろう。
俺はそれをクヌギに教えただけだ。
まさか、神々は口にさえ出来ない絶対神様の御名とは夢にも思わなかったがな。」

やはり、最高神はマカゲからその名を教えられたのか―神ならぬ身のマカゲだからこそ口に出して伝えられたのだ。

「いえ、それはもういいのです。
わ、私は絶対神様という畏れ多い存在ではありません。
音瀬へ来てから私は只の人より無能な存在になりました。
私ごときが絶対神様である訳がないのです!」