「…お前、何か言いたい事があるんだろう?
だから空転車に乗せろなんて言ったんだろ。」

「うん―。」

クヌギはサナヤが絶対神だと告げた。
マカゲが贈り名であるマナイ神の名を教えてくれたから、ようやく判明したのだと。

「そうか―。
やはりな。
いくら今上最高神とはいえ、お前の方が主神とは思えなかったものな。」

「言ってくれますねえ。
でも、まさにその通りだから文句も言えないなあ。」

(こいつ、やけに素直だな。
いつもなら軽く悪態の一つもつきそうなものなのに。)

マカゲは少し不思議に思った。

それから暫くは無言のまま空転車は音瀬の空を駆け巡った。
クヌギは、純粋にこのドライブを楽しんでいた。
クヌギは、2人には黙っていたが既に闇蓬来の長と決闘の約束を取り付けていた。その刻限が間もなくやって来る。
闇蓬来の長は、クヌギを¨死¨に追いやった事を詫び、甦がえりを喜んでいた。やはり、彼も心底の悪ではないとクヌギは改めて確信した。
クヌギはドライブに区切りをつける為に、マカゲに話しかけた。

「俺は、檪の木の下で拾われたんだ。」

「そうだったのか―。」

だから、クヌギと名乗っていたのか。