「サナヤ…。」

クヌギは、暫く考えあぐねていたが、やがて意を決して厳かに従神に命じた。

「今、我は今上最高神シュナク・サーレとして命じる。
我に汝の贈り名を伝えよ。」

サナヤは三界の礼の姿勢をとった。
主神、まして今上最高神シュナク・サーレの命は絶対である。
命ぜられるままに、サナヤはクヌギに真の名を伝えた。

「今上最高神様の命であれば―明かさずばなりますまい。
我が贈り名は
マナイ―。
マナイと申します。」

その名を聞いた途端、最高神は数メートル弾き飛び額を地に擦り付けて五体投地(ごたいとうち)した。

「シュナク・サーレ様?」
サナヤは、驚いてクヌギを見つめた。
クヌギは体を投げ出す様にひれ伏したまま、語り始めた。

「今までの理不尽極まりなき振る舞い、ご無礼の数々―。
どうか、平に平に御容赦くださいませ―。
貴方様―。
貴方様こそが、バハラードの全てを統べる神、マナイ神様であらせられます。
従神は―従神は私めの方でございました!!」

「シュナク・サーレ様!何を仰っておられるのですか。私などが、そんな…。」

サナヤは、思わず口ごもった。
だがクヌギは構わずに語り続けた。
―つづく。