やがて、諦めがついたのかクヌギの遺体をそっと横たえるとその体に自分の上衣を掛けた。
サナヤの裸の上半身を見たマカゲの顔色が変わった。

「何だ!
お前の背中は!」

サナヤの背中には、金色の柄の小刀がびっしりと刺さっていた。
彼の背中はどす黒く変色していた。
対照的に金色の小刀は、キラキラと煌めいていた。異様な光景だった。

「サナヤ、それは―。」

「…神界の制裁です。
私がこの方を愛しいと思う度にこの方に思いを告げられる度に神界からの罰が与えられて来ました。
それは…いい。私はどうなろうと構わない。
けれど、私がこの方の思いに応えてしまったら罰が最高神様にも及んでしまう。
この地獄の責め苦をどうしてこの方に与えられるでしょうか。そう思って耐えてきた。
しかし、結局は別の形でこの方をずっと苦しめてしまった。
マカゲさんの仰る通りです。
この方を死なせたのは…紛れもなく私、です。」

「馬鹿…野郎!
何故、黙っていた!?」

マカゲは、サナヤの背後に回るとその金色の小刀を一本、一本引き抜いた。
どれも柄の部分まで深々と突き刺さっていた。

「猛毒が塗ってある。
一本で牛1頭を倒せる程の―。
サナヤ、お前だって生身の体の筈なのに。
よく虚無界に行かなかったな。」