サナヤは、信じられない程取り乱して号泣した。
だが、マカゲは怒りの眼差しをサナヤに向けた。

「お前は、こいつがたった今¨死んだ¨と思っているのか?」

サナヤは、クヌギの骸を抱き締めたまま泣き続けた。

「クヌギは人界にいた頃からずっとお前を愛していた。
それなのにお前は、同性だからとか主従の関係だからというだけで、こいつの思いをずっと拒み続けてきた。そうだろう?」

サナヤは何も答えず、ただ両目から大粒の涙を流し続けていた。

「こいつは今、死んだんじゃない。
人界にいた時も音瀬へ来てからも、ずっとお前に思いを告げて拒まれる度に少しずつ死んでいったんだよ!
こいつは言っていた。
理屈じゃない。魂がお前を選んでしまったと。
人界神だか何だか知らないが、神は神だろう。人とは違う。
たとえ同性同士でも人界の様な禁忌にはならないとあの学長も言ってたじゃないか!」

マカゲは涙混じりの声で続けた。
「何で…何でこいつの思いに応えてやらなかったんだ。
クヌギを死なせたのは闇蓬来なんかじゃない!
サナヤ、お前だ!」

どう罵られてもサナヤは何一つ弁解せずにずっとクヌギを抱き締めていた。
―つづく。