¨お前達、判っただろう?
前から言ってだろうが。
こいつは乱暴な所もあるが、根は本当にいいやつだって。¨

マカゲはその喜びに浸っていたかったが、まだ戦いは終わっていない。

¨サナヤ、音瀬の民、今のうちに避難しろ。
奴等の勢いが止まっている今のうちに。¨

¨ミー、ミー、
ワカッタ。ワカッタ。¨

¨ソウスル、ソウスル。
イウコト、キク、キク。¨
音瀬の民は、マカゲの言葉に従った。
一生懸命、空中をヨチヨチと駈けて避難を始めた。
しかし、サナヤはその場を動こうとはしなかった。
¨サナヤ、お前も逃げろ!
はっきり言って今のお前は足手まといだ。
皆と一緒に避難するんだ!¨

¨しかし―私は―。¨

何をためらっているのだ。
マカゲは、苛立った。
サナヤの視線の先にはクヌギがいた。
その時、暗雲が立ち込め闇蓬来の長が出現した。
¨!!¨

長は、一族の惨状を目の当たりにした。
業火の術を用いて¨縛¨の呪縛からようやく逃れた長は、争いを収めようと空間移動して来たのだが―。
最初に見たのがクヌギの究極の術によって無惨に傷ついた一族の姿だった。