天変地異からさえも。
究極の防御術―。
マカゲには、この術を自分にかけた時一瞬だけクヌギが微笑みかけたかに見えた。
しかし、それからクヌギの闇蓬来に対する攻撃は俊烈を極めた。
マカゲに蛇防御をかけた後、クヌギは遥か上空へと飛んだ。
両手を合わせて呪文を詠じる。
闇蓬来が徒党を組んで、クヌギに一斉攻撃を仕掛けようとする直前にクヌギの術が発動した。
雷(らい)と水(すい)の性(しょう)を組み合わせたクヌギの最大の術が音瀬の空間に放たれた。
¨音来光空転滅(おんらいこうくうてんめつ)!!¨

おそらくは、一定の空間全てに発動する術だ。
目を射抜かんばかりの閃光が、闇蓬来の一団を切り刻んでゆく。
闇蓬来は、今までにないダメージをクヌギによって与えられた。
耐えきれずに多くの闇蓬来達は墜落していった。
周辺には、ブスブスと獣肉の焼け焦げる臭いが充満した。
クヌギは、闇蓬来の攻撃から守る為にマカゲに蛇防御をかけたのではなかった。
自らのこの究極の術から彼を守る為にこそ、蛇防御をかけたのである。

クヌギはゆっくりと降りて来た。
まだ宙に浮いたまま、独り言の様な¨念¨をマカゲは聞き取った。

¨所詮は…一時凌ぎだ。
奴等は不死身だ。
すぐに復活してしまう。¨