「久し振りだな。そう呼ばれるのは。
あばよ。」

マカゲは、2階のバルコニーに出た。

「空転車!」

マカゲがそう叫ぶと、空中に馴染みのオートバイが出現した。
マカゲは床を蹴り5、6メートル飛翔すると空中に浮かぶバイクに乗り込んだ。
その目に闇蓬来の一団が否応なしに飛び込んで来た。

「おいでなすったか!
この地で滅びるのも定めだろう。
故郷で朽ちるなら本望だぜ。」

マカゲは、自分でも驚く程清々しい気持ちで闇蓬来の一団を見つめた。
これといった攻撃力を持たない自分が、彼等に勝てる訳がない。
だが、ほんの少しでも足止めが出来れば―神々と音瀬の民がここを脱出する時間を少しでも稼げればと、マカゲはそれだけを願っていた。

(色々あったが、面白かったぜ。
今度こそ、あばよ!
皆!)

マカゲは、闇蓬来の一団に向かって全力でバイクのエンジンをふかした。
空転車は、まさにマカゲの¨念¨だった。
―つづく。