「サナヤは、まるで全てに隠居したお婆さんみたいになってるな。」
「いや、そういうお婆さんの方がよほど生き生きしているよ。」
今も手を休めて座りこんでいる。
音瀬の民は、そんなサナヤを取り囲んでミーミー言っている。
サナヤは、そんな彼等をまるですがる様に抱きしめていた。
「地元民に愛されるサナヤ君か。」
たまたまはぐれて、2人の側に漂って来た民がいた。
クヌギが微笑んで手を差し伸べたが、民はその顎に思い切り蹴りを入れて立ち去った。
「イッテェー。」
「お前は、相変わらず嫌われているな。」
マカゲは苦笑した。
「まあ、仕方ないさ。最初が最初だったからな。」
クヌギは怒りもせず、鍬を降り下ろした。
「お前、随分丸くなったな。
人界にいた時よりも。」
「そうか?
俺はそんなにギスギスしていたか?」
「人界では休む間もなく戦っていたからな。
戦わなくなったせいか、余裕が出来たせいじゃないか?
元々、お前は穏やかな奴なんだ。」
「そうかな。」
音瀬界に飛ばされて、この季節も暦もない世界でどれ程の時が経ったか想像もつかない。
だが、人界で戦い続けた自分と音瀬の自分とでは明らかに変わったとクヌギ自身も思うのだった。
―つづく。
「いや、そういうお婆さんの方がよほど生き生きしているよ。」
今も手を休めて座りこんでいる。
音瀬の民は、そんなサナヤを取り囲んでミーミー言っている。
サナヤは、そんな彼等をまるですがる様に抱きしめていた。
「地元民に愛されるサナヤ君か。」
たまたまはぐれて、2人の側に漂って来た民がいた。
クヌギが微笑んで手を差し伸べたが、民はその顎に思い切り蹴りを入れて立ち去った。
「イッテェー。」
「お前は、相変わらず嫌われているな。」
マカゲは苦笑した。
「まあ、仕方ないさ。最初が最初だったからな。」
クヌギは怒りもせず、鍬を降り下ろした。
「お前、随分丸くなったな。
人界にいた時よりも。」
「そうか?
俺はそんなにギスギスしていたか?」
「人界では休む間もなく戦っていたからな。
戦わなくなったせいか、余裕が出来たせいじゃないか?
元々、お前は穏やかな奴なんだ。」
「そうかな。」
音瀬界に飛ばされて、この季節も暦もない世界でどれ程の時が経ったか想像もつかない。
だが、人界で戦い続けた自分と音瀬の自分とでは明らかに変わったとクヌギ自身も思うのだった。
―つづく。