檪は、この世界でも洞窟で雷を発生させた様に自らの術を駆使出来た。
だが、早奈谷はあたかも真影と入れ替わった如く、あれほど優れた能力が全く使えなくなってしまったのである。
まるで人界における真影と同じ立場になってしまったのだった。
辛うじて¨念¨だけは人界と同じように使えるのが唯一の救いだった。
実は、既に人界においてもその兆候はあった。
ここ暫くの間、早奈谷は平静を装っていたが明らかに体調が思わしくないのは2人にも判っていた。
しかし、本人が何も言わないので心配ではあったが2人共問い質す事が出来なかったのだ。
この音瀬に飛ばされたのが、早奈谷の不調に更に拍車をかけてあらゆる能力を奪ってしまったのかもしれない。
「まあ、いくら考えても仕方がない。
この世界に順応していけば、いずれ力も戻ってくるさ。
今まで散々世話になったんだ。
今度は、俺達に面倒をみさせてくれ。」
「申し訳…ありません。」
早奈谷は、心底自らの不甲斐なさを噛みしめながらうなだれた。
「…。」
檪は、そんな早奈谷を痛ましげに見つめていた。
―つづく。
だが、早奈谷はあたかも真影と入れ替わった如く、あれほど優れた能力が全く使えなくなってしまったのである。
まるで人界における真影と同じ立場になってしまったのだった。
辛うじて¨念¨だけは人界と同じように使えるのが唯一の救いだった。
実は、既に人界においてもその兆候はあった。
ここ暫くの間、早奈谷は平静を装っていたが明らかに体調が思わしくないのは2人にも判っていた。
しかし、本人が何も言わないので心配ではあったが2人共問い質す事が出来なかったのだ。
この音瀬に飛ばされたのが、早奈谷の不調に更に拍車をかけてあらゆる能力を奪ってしまったのかもしれない。
「まあ、いくら考えても仕方がない。
この世界に順応していけば、いずれ力も戻ってくるさ。
今まで散々世話になったんだ。
今度は、俺達に面倒をみさせてくれ。」
「申し訳…ありません。」
早奈谷は、心底自らの不甲斐なさを噛みしめながらうなだれた。
「…。」
檪は、そんな早奈谷を痛ましげに見つめていた。
―つづく。