「さあ、これから忙しくなるぞ!」
真影は、ポキポキと指を鳴らして気合いを入れた。

それから数日間の真影の八面六臂の活躍は、早奈谷が神として始動した時を遥かに凌ぐものだった。

真影は、自らが発する気と音瀬界の振動を掛け合わせて、可動空間を拡げた。
そして、2人には内密にして闇蓬来の為の居住空間も創造して与えた。
いわゆる武士の情けだった。
彼等は、優れた一族だから生きる空間さえ提供すれば、自力でこの世界でも生息可能だろうと踏んだのだ。
次々と新たな能力を開眼した彼は、あらゆる自然・物体をも創造した。
最初は、白黒テレビ状態でしかなかった色彩も徐々に淡い色合いが生じて来た。
真影は、洞窟近くの空間に3人が住むモダンな館を創造した。

「空転車
(くうてんしゃ)!」

彼自身は音瀬界においても、飛翔の術が使えなかった。
だが、その代わりに空転車と名付けた空中を飛ぶオートバイを創造して乗りこなした。
高所恐怖症も最早どこ吹く風で実に快適そうだ。
2人の神は、真影の変貌ぶりにただ驚くばかりだった。

そして、ここで一つの問題が生じた。