檪は.闇の中にいた。
無我夢中であの女闇蓬来に蛇防御の術をかけたのは覚えている。
彼女の念は.それからずっと後方に流れて行ったから、あるいは脱出したかもしれない。
しかし、確かな事は判らない。
そして今、檪は自分の状態を把握するのに必死だった。
暗闇の中で俯せになっている。
宙に浮いてはいない。
檪は仰向けになった。
しかし、目を見開いていても眼前に拡がるのは全くの闇、闇、闇闇―。
どこだ。
ここは一体、どこなんだ。
生臭い錆びた鉄の臭い。
血―?
俺は、どこか怪我をしているのか?
痛みはさほど感じない。
でも、顔を触るとやたらとヌルヌルする。
どこかにぶつけたのだろうか?
そうだ、早奈谷は―。
それに真影。
甚だ身勝手な考えだったが、檪はあの2人にもここにいて欲しいと望んだ。
2人の名前を思い切り呼ぼうとした時―、
¨ミー、ミー。¨¨ピ、ピキーッ。
ピキー。キーキー。¨
子猫の鳴き声と金属の擦れる音を足して2で割った様な声?が聞こえた。
檪の顔面にフワフワとした綿毛状の何かが触れた。

「ワァッ!ワワッワァーッ!!」

その感触に驚いて、檪は声を限りに叫んだ。

弾みで、その両手から電流が発射された。