「ああっ!」
早奈谷も又、どす黒い空間の餌食になってしまった。

「早奈谷!
檪~っ!」

真影は、一瞬ためらったが、その巨大化して地を舐めんばかりになった空間に飛び込んでいった―。
時間にすれば、ほんの数分間の出来事だった。

やがて、磁気嵐は止み亜空間は一条の細い筋と化した―。

そこから、僅かに1人だけその筋をこじ開けて戻って来た。

キリコだった。
共に呑み込まれた檪が必死でかけてくれた
究極の防御術、¨蛇防御(じゃぼうぎょ)¨
に守られて、辛うじて亜空間から人界へと戻って来られたのだ。
蛇防御は究極の術故に1度に1人しかかける事が出来ない。
キリコもそれは判っていた。

(檪―。
あんたって子は…。)

昔からそうだった。
自分より弱い立場の者に、心からの情けをかける子だった。
だからって、敵の裏切り者の私に…。

キリコはひとり、
湖の畔で泣いた。


最高神トリオと闇蓬来一族は、人界からその姿を消した。

そして彼等は―

新たな世界で
新たな物語を
紡いで
ゆくことなる―

第一部

―完―