「檪―。」

(俺はもうどうだっていいんだけど。
今はそんな気持ちはないし―。
だけど、早奈谷は檪をどう思っいるんだろう。
主従関係だから神界の掟で、自らの気持ちを封じているのか?
俺には、早奈谷も檪に特別な感情を持っているように思えるのだが。)

だが―今は考えまい。
人界神の宿命を知った以上、益々この神々を放ってはおけなくなった。

(まあ、しゃーねえか。
こうなりゃとことん付き合ってやろうじゃないか―。)

檪が描き出す美しい紋様を眺めながら、真影は思いを新たにするのだった。

―つづく。
この物語はフィクションです。