自分の能力のすごさを見せつけて、真影が感服して仲間にしてくれと言ってくれば良し。
そうならなくても、それを切っ掛けに何がなんでも仲間にしようと企んだのだろう。

何て奴だ!
考えている事が子供そのものだ。
それで、俺は危うく空世へ一直線みたいな目にあったのか。
早奈谷は、あの事件には直接は関与していない。
それは、あの時の対処で判っている。
だが、その後やや強引に自分を仲間に引き入れたのは、彼も檪と2人だけの状況に閉塞感を抱いていたからだろう。
彼にしても、渡りに船だった訳か。

(檪~っ!
てめえ、この野郎!)

真影は怒り心頭で、思い切りどついてやろうと檪の姿を捜した。
檪は、すぐに見つかった。
湖の畔で暮れなずむ景色を眺めていた。
ぼんやりとしゃがんでいた。
その姿があまりにも寂しげで、真影はつい昼間教えられた人界神の宿命と重ね合わせてしまった。
真影は、檪の側に並んでしゃがんだ。

「悪かったな。
何か告げ口したみたいになっちまって―。」

(なに、謝ってんだ!
俺は―っ。)

内心、自分に毒づきながら真影は檪を責められなかった。
―つづく。
この物語はフィクションです。